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宵越しの古酒を片づけ朝茶のむ

さらさらのダイエットメニューのとろろかな

重き病置きて睦める神無月

風は秋父の縁の訃報受く

病名を知らず退院神無月

東方に笑ひて喰ふべ青みかん

秋冷えや園児むづかり傘とゆく

湧きいづるごと木犀の咲きはじむ

停年の夫球場に捨て団扇 十月十二日西武球場にて

シューベルト聴いて剥ぎとる栗の皮

栗飯よ退院祝いの睦碗

神無月退院祝いの弦合奏

退院す義兄の酸素に秋の風

秋遊びおしきせを脱ぎ少年となる

先生の肩書はずし秋に翔ぶ

雲遊ぶ台風一過の空深し

大風のあとようやくに秋来たる 二十二号去る