2005-07-14から1日間の記事一覧
黒ずくめきめたるひとや朴散華
礼拝堂昼を灯して栗の花
教会に明治の旗あり朴の花
紅花をかんばせやさし石像に
桜沢水増してをりしょうま散る
緑陰の芭蕉の句碑明りける
花栗や戻り確かむ岐れ道
教会の古い花栗の盛りかな
朴の花求める視線四散せり
升麻散る谷水したたる碑の近し
信州につれしょんありしかえで咲く
桑の実を食めば波だつ山の霧
水蓮の力残して眠りたり
はじめての花浮いて来しひめの蓮
こらこらで四葩折る子はごめんなさい
雨重し四葩屈めば庭白む
煮えかえる腸(はらわた)に泌む枇杷の汁
煮えたぎる腸(はらわた)冷えぬもじずり草
真髄に怒りの走る青ぶどう
じゃがの花一つ残して摘みとりぬ
緑陰に日本語で笑ふ異邦人
母国語のはづむ緑陰異邦人
くろき土よりレッドデビルのバラ咲けり
あを葉かげ六等身の仁王立つ
かやつり草孫抱けばあいさつしたくなる
そのうちにいい顔になる額の花
赤い糸異国に手操る寶鐸草
えごの花諭しきれずに見送りぬ
若芽食ふあを虫の色若芽色
新芽食ふ小さき生きもの踏みつぶす