病巣を絶つ日近づく芽吹きかな

手向山赤き芽柔な揃ひ踏み

若芽食ふあを虫の色若芽色

新芽食ふ小さき生きもの踏みつぶす

隧道の切れ目切れ目の芽吹きかな 河七月号

トンネルの切れ目切れ目の青芽かな

芽いてふのいてふ型なる日暮れ刻 河六月号

芽いてふや退院祝ひののり届く

芽柳や少女の胸のふくらみぬ

嚇き芽の開けばみどり広がりぬ

芽銀杏の雨降りて後ものを言ふ

切り離し一気一気に伸びる芽よ

こだわりて食指はあけびの新芽なり

したしたと雪積もりても青芽若やぐ