2005-07-19から1日間の記事一覧

ビタミン剤混ぜて炊飯みどりの日

だんご虫ころげて命惜しむなり

亡父(ちち)恋ふる八十八夜の畑ン中

幼児語の混じる囀り晴れにけり 河六月号

清貧にあらぬ女の炉をふさぐ

ほうけても手元確かに春田打つ

東風来たる無数の花びら飛翔せり

四月馬鹿話す相手もなく過ぎぬ

うぐいすに庭げた(サンダル)の音聞こえてか

大けやきすこし緑に霞みけり

週一度便りの来たる春の宿

古なべに長き米炒る春の宵

映画館出て春の陽に動揺す シンドラーのリスト

早春に万葉の花写真展

瀬戸の島それぞれ名あり霞みける

肩小さき石仏ぬらす春清水

うぐいすの声佳き谷に赤き花 岩国にて

鹿の尾の白き寄り合ふ弁財天 あじが浦

法皇の古木横たわる鹿ぬれる

春の雨千畳閣の屋根に降る

大鳥居太らす春の雨赤し

あをさ光る汐寄せて返す時

白浜に汐寄する時あをさ揺れ

千畳敷牡蠣の筏に抱かれたり

かき筏寄せる連絡船航路

水旨き島に渡りて牡蠣を食ふ クラス会宮島に渡る

山霞む次第に近きふるさとよ

ふるさとに川ぞ残りし水ぬるむ

富士川にまだ雪解けの水は来ず

遠近を分けてかすめる西の山