2005-07-18から1日間の記事一覧

お返しにごまで汚した芹を盛る

地に落ちて八重の桜は樹を仰ぐ

ビー玉のとび出して来るよめな摘み

蕊盛る中にひとつの花残る

手向山赤き芽柔な揃ひ踏み

一重山吹風止まりなば見繕ふ 河七月号

おおぶくの茶を点て花の散るを見る

山吹の花受けし児の泣き止みぬ

花冷えやくろきクレーンの眠りけり

油ぎるクレーンの腕に花の屑

小笠原流の膝してよもぎ摘みにけり

城下町バス通る時椿落つ

筆の花老ひにけり頭の透けて

無視さるることに慣れたるひょうたん草

林道の轍に椿伏せて落つ

大名小路梅うすずみに暮れにけり 河六月号

千本の枝軽くなり姥桜

花散るや大きくなりし夕日浮く

花の塵横断歩道を走り抜け

匂ひして摘み分けてをりもちの草

もち草の白いかぎ分摘んでをり

抱きあげて嬰にも見せる白木蓮

おおき目の赤子白蓮見てをりぬ

白木蓮少年の目を引き寄せる

羊啼く宅急便に花の散る

百を盛りて白蓮散りにけり

ホフマンを奏で木蓮白いっぱい

展望台膝笑ひけり山椿

落ち椿花踏む人はゐざりけり

花あしび杖になる枝捜しをり