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信州に桑の苗植ゑ春を待つ

陽を仰ぐ桜は人を見ざりけり

芽柳や少女の胸のふくらみぬ

うすずみをふくみ桜の散りにけり

腹ふとき人もありけり花見浦

髭面も苺にたっぷりミルクかけ

くれなゑを溜めて桜の出番かな

唐突に鳴く初蛙風止みぬ

百連の盛り過ぎたる高笑ひ

そのあたり白木蓮の白夜かな

投票を終えぶらんこの背なを押す

残り雪娘在る国の形して

満ち潮のごと草萌ゆる雨の後

出がらしのぬるき茶置きて春眠す

忙殺の白き日記に春ぞ来る

信州に写真を送り水温む

逢い引きの日延べの電話春の雪